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その地域にしかいない希少な動植物の多くがペットなどとして取り引きされている現状を考えようと「いきものトークカフェ 南西諸島の生きものたちの未来~人による利用と影響~」(主催・WWFジャパン、WWFジャパン野生生物取引監視部門トラフィック)が8日、石垣市の環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターで開かれた。南西諸島の両生類・は虫類のペット取引についての調査報告書を5月に出したトラフィックの関係者らが登壇し「現状を知り、絶滅させないために何が必要か一緒に考えたい」と呼び掛けた。
報告書では、南西諸島固有の両生類・は虫類の67種・亜種のうち55%に当たる37種が国内外の市場で取引されていたことが明らかになった。世界自然遺産登録を目指すためにも「ここにしかいない野生生物」を守る意識改革と保全政策が求められている。
トークカフェでは、調査を担当したトラフィックの若尾慶子さんのほか、両生類・は虫類の専門家である兵庫県立大教授の太田英利さん、環境省石垣自然保護事務所の藤田和也さん、石垣島の外来種の調査や駆除を行う八重山ネイチャーエージェンシーの高木拓之さんが登壇した。
行政、民間、研究者と、それぞれの立場から発言し、会場を埋めた参加者と意見交換をした。
若尾さんによると日本は両生類・は虫類などの大きな市場だという。
「生体の展示会にはマニアだけでなくカップルや家族連れも来て、サクランボを入れるようなパックで動物が買われていく。『八重山産の野生捕獲』を売りにしているものもある」と報告。「自分たちは捕獲や取引の規制を強化すべきと考えているが、緩和して繁殖促進させた方がいいとの考えもある。皆さんの意見を聞かせて」と呼び掛けた。 (文化面で後日詳報)