友利(男子走り高)1メートル90で2位 高校・南九州陸上第1日


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
男子走り高跳び 1メートル90を跳び2位になった北中城の友利未来希=14日、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場(中川大祐撮影)

 陸上の第71回全国高校対校選手権大会南九州地区予選大会が14日、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場で開幕した。県勢は男子走り高跳びで友利未来希(北中城)が1メートル90を跳び、2位に入った。女子やり投げでは山内唯華(糸満)が44メートル34をマークし、2位となった。女子ハンマー投げの上田伊智香(熊本国府)は47メートル90で大会新記録を樹立した。

◆友利、悪条件耐え全国切符
 男子走り高跳びの友利未来希(北中城3年)が高校最後の南九州大会で2位となり、初めての全国出場を決めた。「自己ベスト(1メートル91)を超えられなかったのは悔しいが、全国大会出場を決められてうれしい」と声を弾ませる。

 雨と瞬間的に10メートルを越える強風が吹き付ける中、「こんな悪条件は初めて。何が起こるかわからない」とどこか気持ちが高ぶっていた。最初は力みがあったが、次第に体の動きも軽やかになった。

一度失敗し、2度目でクリアした1メートル85以外はすべて一発で成功させた。1メートル85からほかの県勢が姿を消し、不安に襲われた。それでも「周りは周り。自分は自分」と言い聞かせ、1メートル90に挑んだ。

 県総体で2位となり、翌日から取り組んだ助走がイメージ通りにいった。従来より距離を短くし、はねる感覚でバーに向かう。跳躍もうまくはまり、空中で「これは行った」という確信はそのまま、一発成功という形となった。自己ベスト更新で挑んだ1メートル93は強烈な向かい風に阻まれて失敗。最後は試技数差で順位が決まった。

 県内では2位になることが多かった友利だが、最初で最後の全国高校総体出場をつかみ取った。一方で悪天候の中で跳びきれなかったことへ、課題も感じている。「どんなに悪条件でも、どんな高さでも飛べるような選手になりたい」と熱く語る瞳は、あこがれ続けた大舞台を見据えている。(屋嘉部長将)

女子やり投げ 力強い投てきを見せる糸満の山内唯華(上江洲由龍撮影)

◆山内(やり投)44メートル34で2位 大舞台で活躍、恩返し誓う
 女子やり投げの山内唯華(糸満3年)が44メートル34で2位に入り、2年連続で全国総体出場を決めた。それでも「記録は全然駄目でした。悔しい結果です」と言葉少なに語った。

 強い雨と風がたたきつける悪天候だったが「逆に楽しんでいこう」と挑んだ。肘が下がってしまい、やりへ全身の力を十分には伝えることはできなかったが1投目で44メートル34をマークした。

 さらなる記録を狙うために修正に取り組むも、助走でいつものリズムが崩れ、力で走ってしまった。フォームも崩れてしまい、「気持ちよく投げられなかった」と伸ばせなかった。  1年の7月にハンドボールから転向し、やり投げを始めた。2年生で初めて挑んだ県高校総体では、大会新となる49メートル64を樹立した。しかしその後は「これ以上の記録を出さないと」と自分を追い込みすぎてスランプに陥った。調子も上向きつつある中で迎える最後の全国総体。「今までお世話になった人への恩返しをしたい」と全国の舞台でのビックスローを誓う。(屋嘉部長将)