差別とは何か考えて モバイルプリンスの知っとくto得トーク[63]


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モバイルプリンス

 

今月6日、過去に原作者がツイッターへ差別的な投稿をしたとして、ライトノベル『二度目の人生を異世界で』の発売中止を出版社が発表しました。このライトノベルは10月にテレビアニメ化が予定されていたけど、それも中止になったんだ。

作者は2013年ごろに、ツイッターで中国を「虫国」、韓国を「姦国」と表現し、さまざまな差別的な言葉を投稿していた。そうした投稿が今明らかになり、仕事が無くなることになったんだ。

 


イラスト・小谷茶(コタニティー)

モバイルプリンス

 

実は同じようなことが先月アメリカでも発生したよ。

人気コメディアン・ロザンヌ・バーが、「イスラム教の組織と猿の惑星の赤ちゃんがvj(オバマ前大統領の側近)」だと、人種・宗教差別的な言葉をツイッターに投稿し、バーが出演していた人気ドラマは即打ち切りになった。

 

言葉一つで仕事が無くなる時代なんですね。
 

モバイルプリンス

 

「差別的な発言くらいで、仕事が無くなるなんてやりすぎだ!」とかばう人たちもいるけれど、差別的な発言が広がれば、人を傷つけ、追い込み、命を奪うことになるんだよ。

それだけ差別的な発言はいけないことなんだ。

 

自分がそうした言葉をうっかり使ってしまわないように、気をつけないといけないですね。
 

モバイルプリンス

 

気をつけないといけないけれど、こうした言葉を使う人たちは「差別」の自覚がないと思うんだ。

いじめっ子が「いじめじゃない、遊んでいるだけ」と思うように、本人は何が悪いか気がついていないと思うんだ。

だから「差別的な発言に気をつけよう」の前に「差別とは何か」をしっかりと考える必要がある。

 

そうですね。
 

モバイルプリンス

 

難しいのは、差別の基準が時代によって変わることだ。

例えば数十年前まで、セクシャルマイノリティ(性的少数者)は病人、犯罪者として扱われていた時代もあった。まだまだ完璧ではないけれど、こうした差別を無くそうという動きで時代は変わりつつある。

人を差別しない、傷つけないような言葉を使うためには、さまざまな人の立場を勉強して理解し、その上で気をつけないといけないんだ。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/