若年妊婦の「居場所」沖縄市が開設へ 内閣府補助、助産師ら配置


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若年妊産婦の居場所の運営で意気込みを語る県助産師会の桑江喜代子会長(右)=15日、那覇市の沖縄総合事務局

 内閣府は15日、「沖縄子供の貧困緊急対策事業」の新たな取り組みとして、おおむね18歳以下の若年妊産婦を対象とした居場所を開設する沖縄市に1635万円を交付することを決定した。島尻安伊子沖縄担当相補佐官や県助産師会の桑江喜代子会長らが那覇市の沖縄総合事務局で記者会見し、発表した。沖縄市は7月上旬にも同市の県助産師会母子未来センター内で利用希望者の受け入れを始める。正式な開所は9月を見込む。

 2016年度の10代妊産婦の割合は全国が1・1%に対し、沖縄県は2・6%と2倍以上高い。沖縄市は県内でも割合が高く、3・7%に上る。10代の出産は周囲に相談しにくかったり、パートナーや家族の支援が得られなかったりする場合がある。貧困の連鎖を断つため若年妊産婦を支える社会的な枠組みが求められている。

 居場所の運営は県助産師会が担い、開所時間は平日午前10時から午後7時を基本とする。管理者1人、助産師1人、保育士1人、栄養士2人の専門職を配置。夜間などの緊急対応者も置く。支援期間は妊娠が分かった時点から、産後1年ほど。出産や育児についての相談・指導や、復学や進学、就労のための支援のほか食事の提供もする。

 桑江会長は設置によって産前産後の丁寧なケアが可能になるとし「若年妊産婦の皆さんが自立に向けて有意義に過ごせるよう精いっぱい対応していく」と意気込んだ。島尻補佐官は「沖縄市の取り組みの効果も見つつ、全県でのニーズに応えていきたい」と話した。