チビチリガマ損壊の少年たちが遺族会にリポート


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チビチリガマを壊した少年らが書いたリポート=18日

 【読谷】昨年9月、沖縄戦で「集団自決」(強制集団死)のあった読谷村波平の自然壕チビチリガマを壊し、保護観察処分を受けた少年ら4人が19日までに、遺族会に直筆のリポートを提出した。チビチリガマについて調べたことが記され、「本当にやってはいけないことをした」「毎年ガマに行って手を合わせようと思った」など、反省の言葉もつづられていた。遺族会の与那覇徳雄会長は「これで一区切りだが、これからも彼らと付き合っていく」と話した。

 リポートは昨年12月、少年らが謝罪に訪れた際、遺族会側が取り組みを投げ掛けた。少年らは今月17日に与那覇会長らを訪ね、リポートを読み上げた。

 与那覇会長は「一生懸命書いている。強く反省し、仕事も始めているようだ。立派な社会人になる手助けをしていきたい」と語った。ガマの修復費などについては「時間がかかったとしても、自分たちで働いてまかなってもらいたい」と話した。

 事件後、少年らと共に仏像を制作した彫刻家の金城実さん(79)は「リポートは百点満点中50点だ。なぜ『集団自決(強制集団死)』が起きたのか、当時の教育にも踏み込んでほしかった」と述べた。「少年らだけを責めていいのか。なぜ沖縄の平和教育が弱まったのかを問わなければならない」とも指摘した。