翁長沖縄県知事欠席で議会空転 治療日程変更 直前報告に自民反発


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 25日に予定していた沖縄県議会6月定例会の一般質問が、翁長雄志知事が欠席したため延期された。知事は当初、出席予定だったが、22日に予定していた抗がん剤治療と検査が病院側の都合で25日に変更され、知事は治療を優先した。この日登壇予定だった野党の自民議員は、当日朝に知事欠席の報告を受けたことに反発し、議会は約9時間空転した。最終的には、この日予定されていた一般質問を28日に行うことで決着した。県によると知事の体調に異変はない。

 25日は沖縄・自民会派5人と中立会派・維新の会から2人の計7人が登壇し、知事の政治姿勢などについてただす予定だった。県などによると、翁長知事欠席の意向は22日夕、新里米吉議長と大城一馬議会運営委員長の2人に伝えられたが、与野党、中立の各会派に報告があったのは25日当日の朝だった。

 知事の欠席について与党会派は、議会運営委員会で「体調によってはその日の本会議を欠席し副知事対応とする場合がある」と確認したことを挙げて問題はないとの認識を示した。これに対し野党は、本会議開会の直前まで知らされなかったことを問題視し、一般質問の延期を求めた。

 開会予定時間の約9時間後に開会した本会議で謝花喜一郎副知事は「重要な議案の審議をお願いしている県議会を欠席することについて、議員各位に深くおわびを申し上げる」と陳謝。新里議長も「議員各位に対する十分な周知がなされず本会議の開会が遅れ、混乱を来したことを議長としておわびする」と謝罪した。

 県議会事務局によると、知事欠席により一般質問が延期となった過去の事例は大田県政下の1992年2月議会のみとみられる。