辺野古 高さ制限超71戸 新基地周辺 小中学校、公共施設も


この記事を書いた人 琉球新報社

 名護市辺野古の新基地が完成した場合に設定される周辺の高さ制限を巡り、県議会与党や市民団体、経済界などでつくる「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」は26日、県庁で会見し、辺野古と豊原の両集落の一部で実施した測量調査の結果を発表した。久辺小中学校や豊原地区会館など7公共施設のほか、高さ制限に抵触するとみられる民家やマンション71戸を確認したと明らかにした。その結果を踏まえ、同会議の代表らは「この地域は新基地建設に適さない」と訴えた。

 高さ制限は航空機の安全を保つために統一施設基準として米国が定めている。滑走路から2286メートルの範囲に45.72メートルの高さ制限が設定される。辺野古新基地の標高約8.8メートルを足すと、約54.52メートルより高い建物があってはいけないことになる。

 同会議の測量によると、久辺中学校の校舎は63.57メートル、久辺小学校は62.7メートルで、制限を超えている。高さ制限に抵触する恐れのあるマンションは4棟あり、部屋数は少ない棟で24室、多い棟は50室に上る。そのほか、名護防衛事務所や久辺郵便局、沖縄北部雇用能力開発総合センターなどが制限の高さを超えるとしている。

 調査は、同会議が独自で測量事務所に委託し実施した。建物自体の高さを測れない民家などは敷地や周辺道路の標高を測り、類推した。豊原を通る国道329号は53.41メートル、豊原集落を通る道は約53~54メートルで、一般的な建物がその高さの上に建てられれば制限を超える。オール沖縄会議は今後、調査結果に基づいて関係機関に新基地建設中止を要請することも検討している。

 オール沖縄会議に参加しているヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は「新基地建設計画当初の沖合案では陸地と基地の間に距離があったため、高さ制限は問題視されなかったのだろう。沖縄電力には送電塔の撤去を持ち掛けているのに、小中学校には話をしていない。報道されなければ、まだ隠していたかもしれない」と指摘した。