児童安全、業者が一役 宜野湾大謝名 工事現場前で見守り


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登校する児童の安全を見守る米正建設の名嘉羽哉人さん=14日、宜野湾市大謝名

 【宜野湾】沖縄県宜野湾市大謝名で進む県営大謝名団地の第2期建て替え工事の施工業者らが、大謝名小学校に登校する児童の安全に一役買っている。工事が始まった昨年5月から平日の毎朝、交通量が多い現場前の横断歩道で「横断中」と書いた黄色い旗を持ち、子どもたちを見守っている。

 「おはようございます」。見守る従業員が笑顔で声を掛けると、道路を横断する児童から元気な声が返ってくる。雨が降る中、見守りを担当した米正建設の名嘉羽哉人さん(20)は「みんな素直で素晴らしい子どもたちだ」と笑顔で話した。

 現場前の道路は国道に抜ける道となっているため、毎朝交通量が多く、現場からも頻繁に作業車両が出入りする。横断歩道には信号がないため、近くの大謝名小に通学する児童にとって危険性が高い。

 見守り運動は、10社以上の施工業者で組織する安全協議会で会長を務める大米建設の平良博紀さん(58)の呼び掛けで始まった。毎日午前7~8時ごろまで、各社の従業員が持ち回りで横断歩道に立つ。協議会は自治会と協力して地域の清掃や見回り活動、避難訓練に参加したほか、宜野湾市消防署から自動体外式除細動器(AED)の使い方講座も受けた。

 「私たちの仕事は地域の理解があってこそ」と話す平良さん。「少しでも地域に貢献できればと思い始めた。工期が終わる7月まで続けたい」と語った。

 大謝名団地自治会の大城周子会長(45)は「あの道は通学路になっていて、多くの子どもが通る。業者の人たちには休日の草刈りや避難訓練にも家族連れで参加してくれる人もいて、本当にありがたい」と感謝した。