「ウミガメ甲羅とげとげ」 中城小学校 特別授業で生態学ぶ


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 【中城】沖縄のウミガメについて学ぶ特別授業が6月26日、中城村の中城小学校であった。村内の砂浜でもウミガメの産卵が確認されており、地元の自然について知り、その豊かな環境を守る意識を持ってもらうことが目的。太平洋を回遊して成長し、沖縄でも産卵するアカウミガメを中心に、4年生がその生態について学んだ。

総合学習で子ガメと触れ合う子どもたち=6月26日、中城小学校

 4年生の国語の教科書にウミガメの生態を調べる水族館の取り組みを紹介する単元があることから、学校近くの海岸もその産卵地となっていることを知ってもらおうと総合学習の時間に実施した。

 沖縄美ら島財団学芸員の前田好美さん、若尾卓実さんが講師となり、世界のウミガメの種類やその中で沖縄の海で見られる数、その一生などを説明した。

 産卵時はカメが敏感になっており、人間が騒ぐと産まずに海に戻ってしまうことがあることや、ふ化した子ガメが明るい方向に歩く習性があることなどを解説した。前田さんは「もし産卵するカメを見付けた場合は、騒がずに少し離れて観察するようにしてほしい」などと呼び掛けた。

 前田さんらは財団が飼育する1歳の子ガメも連れてきて児童に披露した。激しくひれを動かす様子に驚いたり、「かわいい」と甲羅を触ったりと、子どもたちは目を輝かせていた。

 仲嶺夏輝君(9)は「タイマイの甲羅を触ったら、とげとげになっていてびっくりした。中城の海をきれいにしていきたい」と話した。

 産卵を見守る活動をしている住民らも授業を見学した。10年ほど前から産卵を確認してきた男性は「ビニールなどのごみを食べたり、ロープが体に巻き付いたりした状態で打ち上げられるカメもいる。ポイ捨てが海を汚すことにもなるなど、地元の環境を守る考えを持ってもらうとてもいい授業だ」と話し、子どもたちにもきれいな海をいつまでも守るよう呼び掛けた。