沖縄県内に陸自補給拠点 防衛省検討 勝連分屯地に設置か


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 【東京】防衛省が、陸上自衛隊の弾薬などの物資を集積する補給拠点を沖縄県内に置く方向で検討していることが分かった。うるま市の陸自勝連分屯地に設置する案が有力視されている。

 また、南西諸島の離島間の隊員や物資の搬送に対応する輸送艦の導入も並行して検討する。南西諸島の防衛力整備を名目に、県内の自衛隊基地の機能強化に向かう動きが一層進んでいる。

 今年3月に陸自に新編された離島奪還作戦を担う水陸機動団(長崎県・相浦駐屯地)や、宮古島と石垣島で進行中の陸自駐屯地建設などに伴い、補給拠点を置く必要性が高まっているという。これまで県内に補給拠点がないことや、離島間の輸送力向上などが課題として指摘されていた。

 陸自は現在、訓練や有事の際などに備えて弾薬や燃料などを集積し後方支援を担当する「補給処」を北海道、東北、関東、関西、九州にそれぞれ置いている。補給処の下に「支処」や「出張所」を置くことができ、県内の補給拠点も九州補給処(佐賀県・目達原駐屯地)の下部組織として位置付けられるとみられる。

 勝連分屯地は自衛隊が米軍と共同使用するホワイトビーチに近く、補給拠点を整備する上で海上輸送にも適しているという。

 一方、自衛隊は現在、隊員や物資の輸送に民間フェリーを活用している状況があるため独自の輸送手段の活用を求める声が強くあり、輸送艦の導入案も模索している。

 防衛省は検討案について、年末までに策定する防衛大綱や、中期防衛力整備計画(中期防)への反映を目指す。