久米島 史上最大421ミリ 72時間雨量 県内各地で大雨


この記事を書いた人 琉球新報社
連日降り続く雨の中、出勤を急ぐ通勤者ら=4日午前8時25分、県庁近く(古堅宗陽撮影)

 4日の沖縄地方は、湿った空気の影響で県内各地で断続的に強い雨が降った。3日に「50年に一度の記録的大雨」が降った久米島町北原(久米島空港)で、4日午後1時50分までの72時間雨量が421.0ミリを観測し、2003年の統計開始以来、観測史上最大を更新した。72時間雨量は久米島306.0ミリ、粟国村245.5ミリ、多良間空港183.0ミリとなり、7月の観測史上最大を記録した。

 4日、3日から続く久米島に加え、沖縄市、名護市、国頭村に大雨警報、東村には大雨洪水警報が発表された。いずれも同日午後4時16分に解除された。6月29日午前0時の降り始めから4日午後4時までの総降水量は久米島空港で427.5ミリ、那覇市樋川で314.0ミリに達した。1時間雨量は、南大東空港で7月の観測史上最大となる47ミリの激しい雨が降った。

 中城村奥間では3日朝、住宅裏手の斜面から土砂が滑り落ち、ガードレールに食い込んでいるのが確認された。隣接する家に住む男性(77)は「雨が降るたびに農地から水が流れてきて、土砂が滑り落ちている」と危機感をにじませる。村や中北消防、宜野湾警察は定期的に巡回し、警戒を続ける。

 沖縄気象台は5日午後6時までの24時間に沖縄本島地方と宮古島地方で80ミリの雨量を予想。土砂災害や浸水、落雷や竜巻への注意を呼び掛けている。

 過去10年間で最も低くなっていた沖縄本島の11ダムの合計貯水率は4日午前0時時点で78.8%まで回復した。