電気使わない避難誘導 アールスリー、屋内用開発 設備基準で国から認定


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避難誘導標識について説明する内間邦彦社長=13日、那覇市安謝のアールスリー

 防災関連製品などの開発を手掛けるアールスリー(那覇市、内間邦彦社長)はこのほど、電気を使わない屋内用の避難誘導標識「グリーンアース」を開発した。国の定める設備等技術基準に適合する製品に与えられる「認定証」を、3月に日本消防設備安全センターから受けた。避難誘導標識の認定は国内で初めて。沖縄県内外で設置を進め、消防法による義務付けを目指す。

 照明や太陽などの光を蓄える蓄光石を使い、暗くなると自然に光る。約5時間光が持続する。配線工事が不要で、電気代や人件費などのコスト削減になる。

 また、床に設置ができるのも特徴。通常の標識は、目に触れやすい天井近くに設置されることが多いが、火災の際は煙が上に上がり、人はかがんで避難するため標識が見えなくなる。従来の床に埋め込むタイプは、人が踏むなどの理由で摩耗し、誘導の絵が消えてしまう。

 グリーンアースはステンレス製の突起を付け、靴などが直接標識に触れないよう工夫した。5年かけ、10作目で認定を受けた。現在、浦添市の平安病院への設置を進めている。

 内間社長は「観光客も増える中、防災の強化が必要だ。収益の一部は被災地などに寄付したい」と話す。

 製品はイージーサービス(東京都)と共同で、埼玉県の工場で作っているが、1年以内に工場を沖縄に建てたい考えだ。

 同社は屋外用の避難誘導標識「ブルーアース」も5年前に開発しており、昨年7月から県内約20カ所の公共施設などに設置している。