県民投票「一筆でも多く」 署名活動終盤 若者にも関心広がり


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
県民投票実施を目指し、署名活動をする「辺野古」県民投票の会のメンバーら=20日、那覇市役所前

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設について賛否を問う県民投票を目指す署名活動は期限の23日まであと2日に迫り、終盤を迎えている。実施に必要な署名数は超えたが、署名審査に備え少しでも多くの署名を集めるとともに、県民投票への関心を高めようと「辺野古」県民投票の会は県内各地で締め切り日まで署名活動を続ける。 

 20日午前、那覇市役所前で行われた署名活動には20代の若者ら5人が中心となり、幅広い世代に向け「沖縄のことは沖縄で決めよう」などと呼び掛けた。
 「辺野古」県民投票の会メンバーの知人に誘われ、署名活動に参加する平井裕渉(やすたか)さん(23)=豊見城市=は「賛成でも反対でも良いので考えよう」と呼び掛けた。基地問題については「昨年までは全く考えてこなかった」と明かす平井さん。アジアを訪れた際、沖縄の過重な基地負担が海外から見ても異常だと知り、意識が変わった。「県民投票は、18歳以上の有権者が当事者意識を持って基地のことを考えるきっかけになる」と考えている。
 「普天間基地ができた後、周囲に人が住み始めた」「辺野古の抗議活動は皆、お金をもらっている」などと誤った情報がインターネット上に拡散され、疑問を持たず信じる同世代の若者も多いという。平井さんは「根拠のない情報に惑わされずに、正しい情報に基づいて考えていくことが大切だ」と強調した。
 一方、辺野古新基地建設が続く名護市でも、署名活動が展開されている。市役所に近い同会事務所を拠点に20日までに約3千筆を集めた。署名活動をする阿波根数男さん(69)は「特に沖縄戦を体験している世代は、カンパしてくれる人も多い」と話す。
 若い世代についても関心が高く、選挙権がない中高生もビラなどを手に取っているという。「自分たちの問題と捉えてくれているようでうれしい」と目を細める。
 今週末も阿波根さんたちは街頭で署名活動を行う。「締め切り日まで一筆でも多く署名を集めたい」と意気込んだ。