【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局は25日、工事に使用される石材の搬出拠点になっている本部港塩川地区(本部町)に土砂を運び入れ、重機で船に載せた。工事の監視を続けている本部町島ぐるみ会議によると、塩川地区への土砂の搬入は初めて。辺野古沖の埋め立てに用いる土砂の可能性がある。
本部町島ぐるみ会議によると、作業は午前8時10分ごろから始まり、午後5時ごろまでに185台が土砂を運んだ。運ばれた土砂は赤茶色で、石も含まれていた。
市民約60人が土砂搬入に抗議し、県警機動隊が排除した。沖縄防衛局とみられる職員が作業に立ち会った。同会議の阿波根美奈子さん(65)は「塩川に土が運ばれるのは想定外だ。新しい局面に入った。県は一日も早く埋め立て承認を撤回してほしい」と訴えた。
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブには、砕石などの資材を積んだ工事車両451台が3回にわたって搬入された。新基地建設に反対する市民約60人がゲート前に座り込んだが、搬入前に機動隊が市民をゲート前から排除した。
沿岸部のK4護岸では、砕石投下やコンクリートブロックと被覆ブロックが並べられた。市民らはカヌーに乗り、埋め立て予定区域「2―1」付近で抗議した。