沖縄弁護士会へ懲戒請求961件 朝鮮学校問題が背景に 「ヘイトスピーチと同じ行為」 


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 在日コリアン弁護士協会に所属する白充(ペクチュン)弁護士(33)ら沖縄県内の弁護士2人に対する961件の懲戒請求が沖縄弁護士会に出されていたことが25日、分かった。大量の懲戒請求の背景には、朝鮮学校への補助金停止に反対する日本弁護士連合会の声明があるとみられる。同日、沖縄弁護士会の天方徹会長は大量の不当な懲戒請求が差別的言論にあたるとして抗議声明を発表した。

 天方会長は「事実に基づかない不当な請求。懲戒請求制度を乱用するもので、問題だ」と強調。その上で「会員弁護士のバックグラウンドだけで懲戒請求した個人への攻撃だ。ヘイトスピーチと同種の行為。強く非難しなければならない」とした。

 懲戒請求を出された白弁護士は本紙取材に「無意識、無自覚な差別を感じる。社会の閉塞(へいそく)感と政府の歴史認識が背景にあるのではないか」と分析。「沖縄の基地問題を巡る差別的な発言と同じ構造だと思う。このような広がりは今後の沖縄にもつながる問題で看過できない」と憤った。

 弁護士への大量の懲戒請求は東京や神奈川などでもあり、一部で訴訟に発展している。沖縄弁護士会には昨年11~12月に2回分けて県外から届いた。対象は白弁護士と当時の会長で、同会の綱紀委員会は今年2月、2人は懲戒請求の理由に関与していないとして懲戒委員会に審査を求めないことを決定した。