百貨店やスーパー、コンビニエンスストアなどを展開する流通・小売業のリウボウグループが26日、70周年を迎える。前身の琉球貿易商事が戦後間もない1948年に産声を上げて以来、流通と小売りを通じ県民生活を支えてきた。「舶来品のリウボウ」と呼ばれ、経済が豊かになるにつれてより良い物を求める県民に多くの良品を提供してきた。グループの歴史や展望をリウボウグループの比嘉正輝代表とリウボウホールディングスの糸数剛一会長に聞いた。
◆大手と差別化で成長/リウボウグループ 比嘉正輝代表
リウボウグループの代表を務める比嘉正輝氏は、70周年の節目を迎えたことに「これまで支えてくれたお客さまや取引先の皆さま、頑張ってきた先輩社員のおかげだ」と目を細める。百貨店「デパートリウボウ」を中心に、スーパーやコンビニエンスストアなど幅広く事業を展開し、グループの売上高は1100億円を超える。比嘉氏は「県民に本当に感謝している」と語った。
リウボウは、全国大手の百貨店との差別化を進めながら成長を続けてきた。復帰前に日本本土や海外との貿易に注力してきたことで「高級感のある舶来品を取り扱うことができた。百貨店として、その路線を引き継いでいったことで三越や山形屋と違いを出すことができた」と分析している。
比嘉氏がリウボウにとって「大きな転換点だった」と感じているのは1983年、セゾングループとの業務提携だ。「百貨店からスーパー、コンビニエンスストアなどを展開していたセゾンとの提携により、リウボウの業容拡大につながった」と振り返る。以前は100億円に満たなかった売上高が1千億円を超えるまでに成長したのも「セゾンとの提携があったからだ」と強調する。
低価格の商品を販売する方針となったセゾン側と、百貨店の高級感を追求していたリウボウとの方向性が異なり、2003年に業務提携を解消することになったときには「地元の企業に支えてもらった」という。セゾン側が保有する株式を県内企業が引き受けて「オール沖縄のチーム力を出せた。そこが第2の創業期だと思っている」と語る。
最近は県内外の企業が各地で事業を展開し、小売業界の競争も激しくなっている。比嘉氏は「お客さまにとって選択肢が以前より多くなっている」と感じている。今後も質の高い商品を提供する百貨店としての路線を維持する方針で、「デパートで買い物をしたいと考えているお客さまの期待を裏切らず、リウボウはやっぱりいいと思ってもらえる店づくりをしていく」と話した。