沖縄MICEの経済効果は768億円と推計 国際見本市年30回開催で


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東京ビッグサイトで開かれた国際見本市=2015年6月

 産官民でつくる沖縄MICEネットワーク(共同代表・富川盛武副知事)は26日、ロワジールホテル那覇で、2018年度第1回総会と勉強会を開催した。勉強会では日本展示会協会会長補佐で、国内最大の国際見本市主催会社リードエグジビションジャパンの田中嘉一常務取締役広報部長が講演した。県が計画する大型MICE施設で国際見本市が年に30回行われれば、経済効果は768億円になると推計し「沖縄を劇的に活性化させる」と強調した。

 田中氏は国際見本市は長年、定期的に開催され「出展社が多いほど魅力が増し来場者が増える」と紹介。会場は可能な限り大きくすべきだと主張した。施設そのものの賃貸料収入が赤字でも経済効果が莫大だと説明した。

 見本市開催を世界中が競う中でも、沖縄は国内航空路線が多く東アジアにも近く、4万1千室の客室があり、見本市製品の搬出入にも便利な国際物流ネットワークを持つため優位性があるとした。

 大型MICE施設をフルに使って見本市を実施した場合1回当たり、2万4千人が参加し、宿泊は1万8千人、経済効果は25億6千万円に上るとした。今後の対策として、見本市誘致に向けた助成制度新設や見本市を主催する新聞社事業局強化、専門会社設立の必要性を示した。

 総会では新たに「MICE受入機能強化部会」を立ち上げるための検討会を開催することが報告された。

 受け入れに関する課題研究や大規模受け入れなど未経験の案件に備えた体制強化を狙い、県によるMICE振興の取り組みに反映させる。