沖縄県中学軟式野球 北中城が初優勝 安岡にサヨナラ勝ち


社会
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 軟式野球の第70回県中学校選手権大会(主催・県中学校体育連盟、県教育委員会、琉球新報社)の最終日は27日、宜野座村のかりゆしホテルズボールパーク宜野座で決勝を行い、北中城が2―1で安岡に七回サヨナラ勝ちし、初の栄冠をつかんだ。北中城は先発した玉城蓮が好投し、宮城沙己哉、城間裕太とつなぎ、3人の継投で最少失点に抑え、3番末広礼唯の適時打で勝利をつかんだ。優勝した北中城と準優勝の安岡は九州大会(8月4日開幕、長崎)に県代表として出場する。

◇持ち味の粘り強さ発揮 北中城

安岡―北中城 7回無死満塁、ピッチャー強襲のサヨナラ安打を放つ北中城の末広礼唯=27日午前、宜野座村のかりゆしホテルズボールパーク宜野座(中川大祐撮影)

 ムードが北中城と安岡の双方に二転三転し、競り合った決勝は、同点の七回に3番末広礼唯のサヨナラ適時打で北中城に軍配が上がった。今大会4試合目の1点差勝ちで3度目のサヨナラ決着。北中城の真骨頂の粘りを象徴する内容になった。喜納英仁監督は「終盤まで競り合ってくれれば勝機は広がると思っていた。理想的な勝ち方」と諦めないプレーを続けた選手たちに目を細めた。

 試合を決めた七回はこの日、両チームを通して唯一の長打が口火を切った。先頭で打席に立った途中出場の北中城の国仲奎伍が右越えの三塁打を放ち、塁上でガッツポーズ。ベンチは一気に盛り上がった。続く2人は四球で無死満塁に。好機で回ってきた末広は「どんな球でも打つ」と強い気持ちで臨み、フルカウントからの直球を捉えた。速い打球が投手のグラブをはじき、内野手の間に転がる間に三走の国仲が右手を挙げてホームを踏んだ。

 末広は「狙い球は絞らずに、来た球をしっかり打つことだけを考えた」と殊勲の一打を喜んだ。

 しぶとい打撃に加え、勝因になったのは先発の玉城蓮の好投があった。大会初のマウンドで緊張感もあったが、遊撃手の仲泊俊彌主将ら周りが声を掛けて盛り上げた。スライダーなど100キロ前後の変化球を交ぜながら、ストライクを先行させ、打者のタイミングを外しアウトを重ねた。

 現チームの県大会出場は地区8強で選出された今大会が初めて。チームは一戦一戦力を付けてきた。「みんなで気持ちを一つにして、九州や全国大会も優勝したい」(仲泊主将)。勢いにも乗りつかんだ頂点は、選手に確かな自信となった。(外間崇)

優勝した北中城のメンバーら