浦商 ハンド女子 快勝8強へ 対策結実、好敵手に感謝


この記事を書いた人 琉球新報社
女子3回戦 浦添商業-四天王寺 しぶとい守備で食らい付き、タフなシュートに持ち込む橋口明歩(2)と伊良部結生(18)、ポストを抑える山城海稀(6)=29日、三重県のサオリーナ(嘉陽拓也撮影)

 【東海総体取材班】2018年度全国高校総合体育大会・東海総体は29日、三重県内で先行競技のハンドボール男女とバレーボール男子があり、ハンドボール女子は浦添商が3回戦で四天王寺(大阪)を24―15で下して8強進出を決めた。30日の準々決勝で洛北(京都)と4強入りを懸けて対戦する。同じく3回戦の男子・興南は23―36で氷見(富山)に敗退した。県勢16年ぶりの8強入りを狙ったバレーボール男子の西原は決勝トーナメント3回戦で駿台学園(東京)に、29―31、23―25と粘ったものの0―2で惜敗した。

 打倒四天王寺。その一心でライバルの浦添高校らの協力も受け、事前対策してきた努力が予想以上の成果として現れた。24―15の快勝。2年前に大敗した借りを返した。指揮官、選手共に「想定内の展開で冷静でいられた。浦添らのおかげです」と県内チーム一丸でつかんだ勝利を喜んだ。

 個々の選手にパワーとシュート力がある四天王寺に対し、準備していたのは得点力のある両サイドに重圧をかけてパスを回させず、相手シューターを中央に誘い、カバーでつぶすこと。試合開始は連続失点したが、橋口明歩や伊良部結生らが高めの位置から足で食らい付く。守備の強い山城海稀がポストを抑えると、四天王寺をタフなシュートに持ち込み、GK山入端梨乃の好セーブから速攻につなげた。

 主将の橋口をはじめ全員が「練習に付き合ってくれた浦添やコザの選手の方が視野も広かったし、カットインもうまかった」と感じた。前半は9―7と点差は開かなかったが、主導権を握ったことを確信した。

 後半は出だしから我那覇葵や野底夢実、宮里真帆らが連続得点。四天王寺も修正してきたが、浦添商業は攻撃でミスしても素早く戻り、待ち構えた守備で相手攻撃を封じると2次、3次速攻で徐々に引き離した。

 点差が開くとベンチメンバーの出番。3年に進級した直後に肺炎で練習から離れ、県総体と九州総体で登録から外れていた棚原萌が24点目のダメ押し弾。「全国総体まで死ぬ気で練習して登録をつかんだ。最後のチャンスで決められて良かった」と取材慣れしてない戸惑いではにかむ。その笑顔も、チームが団結した成果の一つだった。

 2年前の先輩の悔しさと全国16強の壁を越えた。次戦は洛北(京都)。ヤマ場は越え、後は頂上へ駆け上がるだけ。先輩らの奮闘に2年の野底は「先輩らは最後の夏。一緒に1番を目指し、全国で一番長い夏にしたい」と力を込めた。
 (嘉陽拓也)