沖縄県知事選告示まで3カ月 事実上の一騎打ちか


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 任期満了に伴う県知事選(11月18日投開票)は11月月1日の告示まであと3カ月に迫った。現職の翁長雄志氏(67)は2期目への態度を明らかにしていないが、県政与党は知事が埋め立て承認を撤回した直後にも出馬に踏み切るとみる。一方、野党自民が擁立した宜野湾市長の佐喜真淳氏(53)は8月中旬にも出馬会見を開く予定だ。政府との対立が続く翁長県政への評価や辺野古新基地建設の是非が最大の争点となる。保守、中道勢力が分裂した前回選挙とは打って変わって今回は事実上の一騎打ちとなる公算が大きい。

 翁長氏は承認撤回を表明した7月27日、約1カ月半ぶりに与党県議と面談した。その席上、与党から2期目への出馬を求められ、「一日一日公務を着実にこなし、県民からの負託に応えていきたい」などと、述べるにとどめた。翁長氏が態度を明らかにしない中、政党や労組、企業などで組織する調整会議は、政策委員会を発足し後援会事務所の選定作業に入るなど、翁長氏再選に向けて選挙態勢づくりを急ピッチで進めている。

 一方、翁長氏は当初出席予定だった北海道での全国知事会議や国庫要請のための東京出張を体調を理由に取りやめるなど健康不安説が再燃する。ただ、与党幹部は「抗がん剤治療で日々体調に変化がある。翁長知事は必ず復帰する」と問題視しない考えだ。別の幹部は「今の段階で知事側から後継の話が出ないということは、知事選に自ら出馬するとのメッセージだ」と推し量り、知事の決断を期待する。

 一方、佐喜真氏は7月30日、自民党県連などでつくる候補者選考委員会の出馬要請を受諾。出馬の意思を表明した。月内にも選挙母体となる県民の会発足や政策発表、事務所開きなどを順次行い、選挙戦に備える予定。最大の課題は前回自主投票を決めた公明党との協力関係づくりだ。公明党への協力依頼と並行して維新にも推薦を求める考え。

 県政野党系では他に、元沖縄観光コンベンションビューロー会長の安里繁信氏(48)も出馬を表明している。31日には、自民党県連が仲介する形で佐喜真氏と安里氏による初めての会合が開かれ、候補者一本化に向け協議を本格化させることを確認した。安里氏周辺や自民県連関係者によると、安里氏が支持者に対する説明責任などを果たせば、候補者の一本化は早期に実現するとの見通しを示す。県連幹部の一人は「佐喜真氏と安里氏、そして県連幹部との会合を持つということは、佐喜真氏に一本化する舞台を整えたということだ。分裂選挙になることは絶対にない」と強調した。