避難所、ゲームで学ぶ 那覇・識名小学校 運営を疑似体験


社会
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カードを使って避難所運営を模擬体験する教職員と保護者=7月27日、那覇市立識名小学校

 災害時の避難場所に指定されている沖縄県那覇市立識名小学校(平良雅司校長)で7月27日、避難所運営や受け入れ対策などを学ぶ研修会があった。教職員や保護者ら約50人の参加者が6グループに分かれ、避難者の情報が書かれた250枚のカードを配置して避難所の運営を模擬体験した。同校PTA副会長の宮城由香さんが講師を務めた。

 使用したのは、静岡県が開発した避難所運営ゲーム「避難所HUG」。参加者は避難者を体育館や教室に振り分け、避難所を運営するという設定だ。県内で大地震が発生し、高齢者や妊婦、乳幼児などの避難者が識名小学校に続々と詰め寄せる状況を想定し、対応を考えた。

 避難者の居住地域や家屋の状況、年齢、性別、国籍、家族構成、ペットの有無、特別な事情などの情報が書かれたカードが読み上げられると、参加者は「住んでいる地域ごとに分けよう」「ツアー客は体育館ではなく教室がいいのでは」などとアイデアを出し合い、避難所に見立てた平面図にカードを配置した。

 体験後は「学校周辺は狭い道が多いので車が渋滞するのではないか」「道が遮断されたら物資は届くだろうか」など気になる点を挙げ、「地域を事前に把握しておくと、災害時の策も考えられる」など活発に意見交換した。

 平良校長は「日頃から地域とのつながりが大切だ。次回は青年会や地域住民と一緒に行いたい」と話した
 (中川廣江通信員)