「名護でしか飲めないビール」発売へ オリオンと工場地元関係者


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
75ビールの味を決めるための試飲会。ここで決まったビールが10月から販売される=3日、オリオンビール名護工場

 沖縄の名護でしか飲めない「75(なご)ビール」が10月に樽生と瓶でオリオンビールから発売される。その味を決める試飲会が3日、沖縄県名護市のオリオンビール名護工場で行われた。

 「75ビール」企画は、名護の商店街と名護に工場を置くオリオンビールが二人三脚で造り上げた「名護らしいビール」がコンセプトで、4種類を用意する予定。企画に取り組むメンバーらは試飲会で、「色はもっと薄くてもいい」「ラベルに合わせるならさわやかなこの味」などと、かんかんがくがくの意見を交わした。

名護だけで飲める「75ビール」のロゴラベル

 75ビールのきっかけは、工場の地元関係者らの「素通り観光名護の脱却を」との思いだ。工場に近い市中心街の名護十字路周辺は「シャッター街」と呼ばれるようにになって久しい。危機感を抱いていた名護十字路商店連合会会長の上地安郎さん(45)は「名護のイメージはオリオンビール。商店街を活性化させるため、名護だけのビールができたらいいねと話していた」と振り返る。

 その夢実現への橋渡し役となったのは、オリオンビール名護工場で製造部長を務める儀間敦夫さんだ。75ビール企画実現に向けてオーストラリアでシークヮーサーをイメージする柑橘系のホップを買い付けた。儀間さんは「名護に足を運んでもらえるよう協力したい」と話す。

 「名護―75―ビールプロジェクト」が立ち上がったのは今年。ビールは名護の夕焼けをイメージした琥珀(こはく)色で、これまでオリオンでは使用していない酵母とホップを使う。ラベルを作成した津波古紫さんは「山、海があって空も広い緑豊かな名護をイメージした」と紹介した。

 75ビール10月6、7日開催のやんばる産業まつりを皮切りに販売が始まる。「名護といったら75ビール」の実現を目指し、地元一体となった取り組みがこれから始まる。