違法掲示物 自粛広がる 沖縄・統一地方選 6市町村が申し合わせ


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 9月の統一地方選に向けて、違法なポスターやのぼり、横幕の設置を自粛する動きが出ている。琉球新報の3日までのまとめでは、9月に改選を控える29議会のうち沖縄市、うるま市、北谷町、西原町、読谷村、北中城村で議会や立候補予定者らが違法ポスターなどを掲示しないよう申し合わせており、“あしき慣習”を見直そうという取り組みが少しずつ広がっている。

2014年当時の沖縄市内。市議選告示前からのぼりが乱立していた(市選管提供、画像の一部を処理しています)

 県内では各種選挙が近づくたびに、違法なポスターやのぼりが各地に乱立し、有権者からは「景観を損ねる」などの苦情が上がっていた。

 北谷町は2002年、北中城村は14年の統一地方選の際に、違法ポスターなどを掲示しないよう議員らが申し合わせた。その結果、議会選挙中の違法掲示物は大幅に減るなどの効果が出たという。2町村の議会選挙では過去の申し合わせで意思統一が図られており、今回の統一地方選でも引き続き自粛する方向だという。

 こうした先例に見習おうと、今年4月には読谷村議会が全員協議会を開き、9月の議員選挙から違法掲示物を自粛することを確認した。

 さらに沖縄市、うるま市、西原町も、それぞれが初めて、違法なのぼりやポスター、横断幕の掲示を自粛することを確認した。沖縄市議会はクリーンな選挙運動を展開することで合意。県内でも有数の激戦区のため、違法なのぼりや横断幕の掲示が多い。沖縄署によると、4年前の市議選では31件の警告があった。

 うるま市議会も違法掲示物を市内から一掃して景観保全や交通安全の確保、クリーンな選挙を目指す。西原町では7月30日に開いた立候補予定者への説明会で、参加者全員が自粛に署名している。

 議会の自発的な申し合わせがない市町村でも、選挙管理委員会などが、立候補予定者への説明会などで違法ポスターやのぼりなどを掲示しないよう呼び掛けている。

 立候補予定者からは肯定的な声が聞かれる一方で、「『選挙』という雰囲気づくりにつながらない」(立候補予定者)、「(掲示は)知名度を上げるにはやむを得ない部分もある」(陣営関係者)との声も漏れた。