楽天、来月電力小売り 県内法人向け 低圧は12月


この記事を書いた人 大森 茂夫

 インターネット通販大手の楽天(東京、三木谷浩史会長兼社長)が、9月から県内で法人向けに電力小売り事業を開始することが6日までに分かった。同社の法人向け電力供給サービス「楽天でんきBusiness」で沖縄本島と電力系統がつながっている地域を対象に、大規模事業所などを対象とした特別高圧と高圧電力の提供を開始する。12月以降に小規模事業所を対象とした低圧電力の提供を始める。関係者によると、既に楽天の別のサービスを利用している複数の法人と契約しているという。

 電源は沖縄電力の卸売り電力を活用する。価格は交渉によって決定するが、沖電よりも競争力のある価格にするという。今後は再生可能エネルギーの活用なども構想している。

 沖縄では、電子マネーの「楽天Edy」、旅行予約サービス「楽天トラベル」、ゴルフ場予約サービス「楽天GORA」などを利用している法人も多く競争優位性があることや、観光客を中心に市場が伸びていることなどから参入を決めた。今後は、電力供給を受け同時にトラベルとも契約している法人に対して、トラベルで利用可能なクーポンを発行するなど、楽天グループ内各サービスの相乗効果で顧客を増やしていく方針。

 楽天内で電力を中心にエネルギー事業を手掛けるサービス「楽天エナジー」は2013年6月に立ち上がった。沖縄進出により、対象エリアは一部離島を除く国内のほぼ全域に拡大する。