国内最大級のサンゴ礁「石西礁湖」で白化確認 「昨年夏の高水温の影響の可能性」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
サンゴの白化率が5%だった本島東海岸の奥漁港北の調査地点=6月(環境省提供、長田智史氏撮影)

 環境省は7日、石垣島と西表島の間にある国内最大級のサンゴ礁「石西礁湖」と西表島周辺海域の全調査地点で、サンゴの白化現象を確認したと発表した。海水が上昇する前の6~7月時点の調査。石西礁湖の平均サンゴ白化率は中央部で51%、北部で21%、西表島周辺では16%だった。本島周辺でも一部で白化が確認された。

 石西礁湖は18カ所、西表島周辺は5カ所で調査し、全地点で10~70%の白化が見られた。沖縄本島は調査地点13カ所のうち、7カ所で5~10%の白化が見られ、平均白化率は東岸で4%、西岸で5%だった。一方、生きたサンゴの面積の割合を示す被度は、昨年度と同程度を維持していた。

 環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性センターは、今の時期の白化現象について「2017年度夏季の高水温の影響が残っている可能性がある。今後、高水温期で白化率が増えることを危惧している」と指摘した。ただ被度が昨年度と同程度だったことは「回復傾向とみられる」との見解を示した。米国海洋大気庁による今年8~11月の白化現象の発生見通しによると、石西礁湖や西表島周辺は「やや水温が高く、白化現象に注意が必要な地域」とされている。