悲報突然「まさか」 沖縄県民、涙で功績たたえ 翁長知事死去


社会
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県知事選出馬前、米軍キャンプ・シュワブ前に座り込む市民と触れ合う那覇市長時代の翁長雄志さん(左)=2014年9月3日、名護市辺野古

 翁長雄志さんの急逝で、沖縄県民の間に衝撃と悲しみが広がった。号外を手にしたとたん、驚きの声を上げる人も。県庁前ではプラカードを持って追悼する市民の姿が見られた。「よく頑張ってくれた」「誇りだ」。県民は涙とともに翁長さんを悼み、功績をたたえた。

 安保関連法に反対するママの会@沖縄のメンバーは8日夜、県庁前に集まり、「翁長知事と私たち県民が闘った歴史は消えない」と書かれたプラカードを持って翁長さんを悼んだ。パレットくもじ前で新聞の号外を読んでいた事務職の西村祐子さん(63)=那覇市=は「他県にはない重圧を背負い、心労もあったのではないか。残念だ」と目頭を押さえた。

 仕事中に翁長さんの容体悪化を聞いたという上地尚子さん(53)=西原町=は、記者から死去の一報を聞き、「えっ…」と絶句。「基地など大きい問題を前に大変だったはずだ。頑張ったと思う」と悼んだ。平良麗子さん(32)=宜野湾市=は「責任感を持って職務をやり遂げていた。後継者は思いを引き継いでほしい」と声を震わせた。新基地建設問題に揺れる名護市で、中村丈人さん(86)は「沖縄の先のことを考え、新基地建設に反対してくれた。残念だ」と肩を落とした。

 「翁長知事と意見の相違もあった」と語る渡嘉敷真治さん(63)=八重瀬町=は訃報に驚きつつ「ウチナーンチュの本音をはっきりと言える政治家だった。沖縄のために頑張ってくれたことに『ありがとう』と言いたい」と静かに語った。下地恵子さん(62)=宮古島市平良=は「沖縄のために命を懸けてきた。遺志を継ぐ人たちが辺野古をどう止めるかを考え、立ち上がってほしい」と語った。

 自営業の大底憲一郎さん(31)=石垣市=は「県民は県の平和を求め、翁長知事はそのためにずっと動いてくれた。誇りに思う」と冥福を祈った。