【甲子園取材班】第100回全国高校野球選手権大会第5日の9日に初戦を迎える県代表の興南(2年連続12度目)は8日、大阪府の豊中ローズ球場でシートノックや打撃練習を行い、5人の投手陣も軽く投球し感覚を確かめた。対戦相手となる土浦日大(茨城、2年連続4度目)も、ベイコム尼崎球場で最終調整した。両校ともに昨年の大会は1回戦敗退しており、初戦突破へ意気込む。試合を前に興南の我喜屋優監督、土浦日大の小菅勲監督に、チームの強みや試合への意気込みを聞いた。
―チームの状態は。
暑さの中でも余裕を持って練習している。第4試合なので(練習時間も午後になるため)午前中にチームの課題の確認と相手チームの分析をし、午後は考えて実践する。皆がうまくできている。
―土浦日大の印象は。
右のエース富田が茨城県大会を投げ抜いている。富田を崩すには真っ直ぐのタイミングで低めのボールに手を出さず、腰から上に来たボールを狙う。変化球は肩口からの球を振っていく。
―警戒する相手選手は。
打順の1番鈴木、3番小菅の左打者。センターか左に引っ張る打者が多い。興南バッテリーの采配に任せるところが多い。
―力のある相手打線にどう対応するか。
どこでかわすか。沖縄大会決勝で投げた宮城大弥の変化球を織り交ぜた投球は、この1年の成長がある。相手の出方次第で藤木もあり、當山の140キロ台の直球も短いイニングなら通用する。仲松青竜も調子が良くなっている。
―鍵を握るのは誰か。
誰がラッキーボーイになるか分からないのが興南。うちの打線に上位も下位もないから。
―理想的な試合展開は。
1点ずつ積み重ねて、取れるところは取る。「あれをしとけば良かった」というのはないようにしたい。
◆土浦日大・小菅監督「そつがない野球、印象的」
―茨城県大会を振り返って。
追う立場で戦ってきた。ミラクルもあり活性化していくなかで、打線でリードする野球をして、シードの3校を倒してきた。
―興南の印象は
我喜屋先生は守備を中心としたチームづくりで、そつがない野球が印象的。(甲子園で春夏優勝の)2010年は印象的だった。高校野球はこうあるべきだという印象がある。
―警戒する相手選手は
打線で言えば1番の根路銘。リードオフマンでセンスが良い。4番の塚本も長打がある。野球には流れがあるので、想定する四球や失策がポイントになった場面で、どの打者を迎えるかだ。
―自チームで勝負の鍵を握る選手は。
主将で1番の鈴木健太は打つべき時に打つ、チームの精神的支柱だ。彼の出塁が得点パターンをつくる。そして4番の井上莞嗣も。興南の左投手に2人が打ちあぐねた場合は、県大会でラッキボーイだった5~7番がつなぐ。
―理想の展開は
エースの富田卓が抑えて打線が3、4点取る。相手に理想の展開をさせず、がっぷり四つを組ませてもらえれば勝機が出てくる。前半で引き離されないようにしたい。