那覇市の救急出動 過去最高1万9718件


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 沖縄県の那覇市消防局のまとめによると、那覇市の2017年の救急出動件数は1万9718件、搬送人員は1万7567人で共に過去最高だった。救急出動件数も搬送人員もこの10年で増加傾向にある。消防局救急課の知念鉄雄課長は、出動件数と搬送人員の増加について「高齢者と急病による搬送が多く、高齢化が主な要因だろう」と話している。

 那覇市の出動件数は08年には1万4180件で搬送人員は1万2901人だったが、それ以降は増加傾向。12、13年は減少したが、14年には出動件数1万7701件、搬送人員1万5409人と再び増加に転じ、17年は出動が初めて1万9千件を超えた。

 17年搬送人員のうち、65歳以上の高齢者が51・5%と過半数を占めた。55~64歳が2153人、45~54歳が1629人と続き、高齢になるほど搬送される人が多い。

 搬送された内容では、急病が68・9%と多く、けがなどの一般負傷が14・7%、交通事故が6・4%と続いた。

 1日平均の出動件数は54件で、27分に1回のペースになる。通報を受けて救急車が現場に到着するまでの平均時間は8・6分で、全国の8・5分とほぼ同時間だ。

 出動件数や搬送数が増加した理由について、那覇市消防局は高齢化が要因と分析。観光客からの通報も増えており、搬送件数を押し上げる一因になっている。

 市消防局救急課は、不要な救急車出動の抑制や救急車を呼ぶ際の判断を助けるため、ホームページにパンフレットを掲載し、消防庁のアプリ「Q助」を紹介している。知念課長は「心配して救急車を呼ぶ人がほとんどだと思う。アプリやパンフレットも判断の参考にしてほしい」と話した。