知事訃報、海外でも 米・仏紙 政権との対立も紹介


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翁長雄志知事の死去について報じるニューヨークタイムズの10日付紙面

 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米ニューヨークタイムズやフランス紙ルモンドは、8日に亡くなった翁長雄志知事の訃報記事を10日までに紹介した。

 モトコ・リッチ東京支局長が執筆したニューヨークタイムズの記事では、地方の政治家が政府の指示に従うことが多い日本で、翁長知事は自立した政治家として際立ち、「自民党政権に対して立ち上がったまれな保守政治家」と評した。首都ワシントンを訪れ、米連邦議員に日米両政府と沖縄のねじれた関係を訴えたことを紹介した。

 在沖米軍基地に対する翁長知事の姿勢はぶれず、知事が敬愛するジョン・F・ケネディ元大統領の娘、キャロライン・ケネディ駐日米大使(当時)が参加した2016年12月の米軍北部訓練場の過半の返還式を欠席したことや、12歳で那覇市長を目指すと同級生に表明したエピソードも紹介した。

 ルモンドは、翁長知事は膵臓(すいぞう)がんの手術後も、名護市辺野古への新基地建設計画を阻止する闘いを続け、前知事による埋め立て承認撤回の意向を表明した矢先だったと紹介。米国統治時代の1950年に生まれた生い立ちや、安倍政権と対立してきたことなども伝えた。