「みんな人生の走者」 増田明美さん、挫折と復活語る 新報女性サロン


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ユーモアを交えた話に聞き入る女性サロンの会員=15日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 第89期新報女性サロン第2回講座が15日、沖縄県那覇市の琉球新報ホールで開かれた。日本女子マラソンの草分け的存在で、スポーツジャーナリストの増田明美さん(54)が講演。1984年のロサンゼルス五輪での挫折や、周囲の支えなどを明かし「みんなが人生の長距離ランナー。互いに励まし合い、心豊かに走っていけたらと思う」と語り掛けた。

増田明美さん

 千葉・成田高時代から次々と日本記録を樹立するも、20歳で出場したロス五輪では途中棄権した。帰国直後の成田空港では「非国民」と罵声を浴びせられたという。一時外出できなくなるほど落ち込んだが、多くのファンから手紙で「マラソンは長いが、人生はもっと長い」などと励まされたと語った。

 今年、日本パラ陸上連盟の会長に就いた。東京五輪に向け「選手の応援団長になる」と決意表明した。リオパラリンピックなどに出場した県出身の上与那原寛和さんらの名前を挙げ「選手が頑張ると競技も盛り上がる。ぜひ頑張ってほしい」と期待を寄せた。