翁長氏県民葬、日程巡り議論 知事選の前か後か、与野党思惑


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約4500人が参列した翁長雄志沖縄県知事の告別式=13日、那覇市の大典寺

 沖縄県の池田竹州知事公室長は16日、知事在職中の8日に死去した翁長雄志氏の県民葬の実施に向け、県議会各会派に候補日を示し、希望を聞き取った。県知事選が9月30日に行われるため、知事選の前にするか後にするかで与野党の意見が割れ、選挙前の9月19日と選挙後の10月9日という二つの案が浮上している。場所は那覇市の県立武道館が予定されている。

 県議会正副議長が17日にも話し合い、各派代表者会議で県議会の意見をまとめる。県は遺族や関係団体の意向も踏まえて最終的に決定する。

 県民葬について県の実施基準は、開催時期を原則四十九日以内としている。主催は県や県議会、県市長会、町村会、経済団体などによる実行委員会形式とする。

 翁長氏の県民葬について、池田知事公室長は9~10月の五つの候補日を提示した。県政与党の共産と会派おきなわは、原則に基づき四十九日以内の実施を求め、9月19日を軸に主張している。これに対し野党の自民は「選挙終了後の平穏な環境で」と新しい知事の下での実施を求め、中立の公明も選挙後の10月9日の考えを伝えた。維新は9月実施でも構わないとした。

 実施時期を巡って新里米吉議長は「各会派が気持ちよく出席できる形にしないといけない」と、四十九日の原則にこだわらない考えを示している。与党の社民・社大・結の照屋大河会派長は、県議会が対立する状況は好まれないとして慎重に検討することが必要だとの認識を示した。