新生キングス始動 4季連続主将の岸本「今年は何が何でも結果を」


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開幕に向け練習に励む並里成(左から2人目)、橋本竜馬(同3人目)ら琉球ゴールデンキングスの選手たち=16日、沖縄市体育館

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは10月上旬に開幕する2018―19シーズンを前に16日、沖縄市体育館でメディア向けに練習を公開した。4季ぶりに復帰した沖縄市出身の並里成をはじめ、橋本竜馬ら新加入の選手も全員そろい、速攻や攻守の実戦練習などを繰り返した。昨季届かなかった頂点に向け、戦力強化を図った新生キングスが本格的に始動した。

 就任2年目となった佐々宜央HCの下、昨年の堅守を続けながら、より攻撃的なバスケを目指す練習に多くの時間を割いた。練習の前にはこれまでの練習の動きを映像を見ながら確認し、戦術や考えなどを選手に説明した。

 並里や橋本、寒竹隼人、外国人選手のドゥワン・サマーズやジョシュ・スコットら新加入選手らも練習に参加し、連係などを確認し合った。

 14―15年シーズン以来となった並里はキングスについて「すごくアップテンポでボール回しの速く、守備に力を入れているチーム」と印象を語る。昨季は滋賀レイクスターズでリーグ2位の438のアシストも記録した。「攻撃ではペイント(エリア)に入ることを意識して、みんなにもシュートを打ってほしい」と展望した。

 7シーズン在籍した強豪のシーホース三河から移籍した橋本は沖縄について「すごくバスケ熱があると感じている」と話す。優勝への難しさを誰よりも知る橋本は「日本一になるためにここに来た。(ファンの皆さんも一緒に)全員で日本一を勝ち取りにいく」と力強く語った。

 昨季、シーズンベスト4に終わったことに岸本隆一は「勝ちにいく気持ちをプレーに乗せていくのが足りなかった」と振り返る。4季連続の主将に指名され、「前に出るタイプではないので、周りをよく見ながら、潤滑なチームプレーを図っていきたい。今年は何が何でも結果が必要。目の前のことに必死になって臨んでいく」と優勝へ向け決意を語った。

 キングスは9月7、8日の関西アーリーカップ、18~24日にはアジアの強豪が集うテリフィック12に出場する。

 Bリーグ開幕戦は10月6、7日で、今季からB1に復帰した秋田ノーザンハピネッツとアウェーで戦う。ホーム開幕戦は名古屋ダイヤモンドドルフィンズと10月12、13日に沖縄市体育館で行う。

1試合も無駄にしない/佐々HC、2年目の覚悟

練習で選手たちに指示を出す佐々宜央HC(中央)

 新シーズンに向け本格的に始動したこの日も佐々宜央HCは選手に厳しい口調で指示した。「昨季(チャンピオンシップ準決勝で)負けた悔しさと今季はさらに1試合も無駄にできないと意識がないと頂点は極められない」と2年目に挑む。

 初めて指揮を執った昨年のシーズン前は佐々HCの価値観などを浸透させていく段階だったが、今は「(戦術を)研ぎ澄ませていく作業が大事」と語る。堅守をより強化するとともにジョシュ・スコットら走れる選手の加入でトランジッションの速い攻撃展開が期待される。

 ハードな守備が強みの橋本竜馬、たくみなアシストを見せる並里成、3点弾の精度が高い岸本隆一と豪華なPGが3人集まった。佐々HCは「いい競争がある」と見ており、「今の状況だったら3人いっぺん出すかもしれない」と多彩な戦術が期待されそうだ。

 Bリーグ1年目は8強、昨季は4強と順位を上げておりキングスのファンからは優勝の期待は高まる。「優勝を狙うとかは、たやすく口には言わない。そういう姿勢を感じてもらえる試合をしていきたい」と覚悟をにじませた。