妊婦喫煙・飲酒調査 県内、妊娠中控えず 「周囲の環境が関係」と分析


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 全国健康保険協会(協会けんぽ)沖縄支部の調査では、県内の女性が妊娠をしても飲酒や喫煙を続ける様子が浮き彫りになった。協会けんぽ沖縄支部保健グループの新垣清乃グループ長は「家族が喫煙や飲酒をするなど、妊婦を取り巻く環境も関係する。本人だけの問題ではない」と警鐘を鳴らす。

 調査では、2500グラム未満の低体重児が出生するリスクが上がる要因として、喫煙や高血圧の既往・現病などが挙げられた。母親が喫煙している場合は、喫煙していない母親より低体重児の出産リスクが1・97倍に上がるとの結果も出た。

 新垣さんによると、県内の協会けんぽに加入する女性の喫煙率は高くはない。それにもかかわらず妊娠中の喫煙と飲酒の割合が高くなっていることについて、環境や周囲の認識が関係すると見る。調査では配偶者など家族に喫煙者がいるとの回答は268人(12・4%)だった。

 県外では妊娠中は飲酒や喫煙を控える傾向があるが、県内はその様子がうかがえないという。新垣さんはこれまでの習慣を安易に続けている可能性があるとし「どちらも習慣化してしまうとコントロールが難しい。周囲の声掛けや環境も大切だ」と指摘する。

 協会けんぽ沖縄支部では、調査に携わった東京大学大学院の佐々木敏教授を講師とし、11月1日午後2時から那覇市久茂地のパレット市民劇場でシンポジウムを開く。調査結果の詳細を報告し、妊婦が注意すべき食や生活習慣について考える。保健師や管理栄養士を対象に結果を踏まえた研修会も実施していく。