社会

米軍区域外訓練を容認 読谷つり下げ 国「地位協定反せず」

 【読谷】船が航行していた沖縄県読谷村都屋の提供水域外で米海軍所属のヘリ2機が兵士のつり下げ訓練を実施した問題で、沖縄防衛局は22日、本紙取材に「日米地位協定に違反したものではない」とし、実弾射撃を伴わない米軍機の各種訓練については施設・区域外でも訓練が実施できるとの認識を示した。県などはこれまで提供施設・区域外での訓練を中止するよう求めてきた。防衛局の認識は、米軍の訓練規制ができない日米地位協定の不備が改めて露呈した形だ。

 沖縄防衛局は一般論として日米地位協定では米軍機の訓練について「個々の活動の目的・対応等によっては施設・区域の外において、これを行うことは認められている」とした。ただ、米軍に対しては「安全面に最大限の配慮を求め、地元に与える影響が最小限にとどまるよう、適切に対応する」としている。

 米軍による施設・区域外での訓練を巡っては、日本政府は1975年の国会答弁で日米安保条約に違反するとの認識を明確にしていた。だが、79年の国会答弁では「日米地位協定の予想していないところだ」と答弁内容を変え、以降「基地間移動」や「基地への出入り」に伴う行為は認められるとするなど後退。現在は、実弾訓練など一部を除けば、施設・区域外の上空での訓練も認められるという見解を示すなど米軍の訓練の自由度を高めている。

 読谷村や村漁業協同組合は、提供訓練区域以外での訓練を一切廃止することを求めている。17日のつり下げ訓練は、事前通告なく実施された上に、共同漁業権が設定されている漁場内で近くでは沖釣りなどをしていた3隻の船が航行していた。

 読谷村の石嶺伝実村長は「訓練水域があるのに、わざわざ漁港の近くでやる必要はないはずだ。漁民に恐怖を与えることはあってはならない」と強く批判。「日米地位協定が沖縄の現状を悪くしている。全面改定を働きかけたい」と、村としても改定に向けて取り組むことを強調した。