認知症 優しく支えて 浦添・浦西自治会 生徒と寸劇、理解訴え


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 【浦添】浦添市の浦西自治会(宜野座富夫会長)は10日、浦西公民館で認知症の特徴や支援の在り方などについて学ぶ講座「認知症について学ぼうin浦西自治会」を開催した。地域の高齢者ら約40人が参加した。自治会のメンバーや浦西中学校の生徒らが寸劇を通して、認知症の特徴や周囲の対応などについて紹介した。

劇を通して認知症の特徴や対応について紹介する浦西自治会のメンバーら=10日、浦添市の浦西公民館

 講座は市内の中学校区ごとに地域福祉事業を推進する浦添市コミュニティーソーシャルワーク(CSW)事業の一環。認知症の人を地域で見守る態勢づくりを進めようと、浦西自治会が発案し、NPO法人ライフサポートてだこのスタッフ、浦西中の福祉委員の生徒らが合同で実施した。

 講話では、ライフサポートてだこの多良間真高さんが、認知症が脳の病気であることなど特徴を説明。「認知症の人を見掛けたら優しく声を掛けて」などと呼び掛けた。

 認知症について理解を深めてもらうための寸劇では、記憶障害などでトラブルになりがちな認知症の人に対し、周囲が寄り添いながら声掛けすることで混乱を回避できることなどを紹介した。

認知症講座で予防のための体操などを学ぶ参加者ら

 劇でナレーションを担当した浦西中1年の池原美樹さん(13)は「たくさんの人に認知症について理解してほしい」と話した。劇の監督を務めた地域コーディネーターの瑞慶覧香代子さん(71)は「浦西自治会から要望があり、学校に協力を求めて実現した。今後も住みよいまちづくりのため協力し合えたら」と語った。

 講座に参加した浦添市の志賀マサ子さん(69)は「認知症について知っているつもりだったが、よく分かっていなかったことに気付いた」と述べた。

◇福祉のまちへ地域一丸 森田千さん

 浦西自治会と浦西中学校の福祉委員が協力して実施した珍しいイベントだ。高齢化社会の中で、認知症への対応が求められている。行政だけに頼らない福祉のまちづくりに向け、地域一丸となってイベントを企画・実施している浦西地区の取り組みを知ってほしい。