今夏、降水量最多に 県内平年比2倍、先島は1000ミリ超


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雨の中、傘を差しながら交差点を渡る人たち=6月14日午前、那覇市の久茂地交差点

 この夏(6~8月)の沖縄地方の降水量が、1946年の統計開始以降、最多を更新する公算が大きいことが分かった。沖縄気象台によると、6月1日~8月23日で平年比1・94倍となっており、歴代1位の1・72倍(2005年6月~8月末)を大きく上回っている。相次ぐ台風の接近が記録的多雨の要因という。

 6月1日~8月23日の降水量は石垣島で平年比2・29倍の1143・0ミリ、宮古島で同2・27倍の1125・5ミリ、那覇で同1・56倍の886・0ミリに達している。沖縄地方は8月末まで曇りや雨の日が多くなる予想で、夏の最多雨量の更新が確定的となっている。

 多雨の最大要因は、6月中旬以降に相次いで接近した台風だ。6~8月の沖縄地方への台風接近数は、1981年~2010年の平均で4・2個。今年は23日までに計8個に上り、先島地方を中心に記録的な大雨を降らせた。

 今年、台風は23日までに20個発生しており、過去最多に近いペースとなっている。その要因について沖縄気象台は(1)マリアナ諸島の東の海域で海水温が高かった(2)平年より強いモンスーン(季節風)と太平洋高気圧周辺の風によって、台風が発生しやすい大気の流れができた―と指摘。9月以降も海面水温の高い状態が続くという。

 沖縄気象台は24日、9~11月の沖縄地方の気象予報を発表した。平均気温は平年より高く、降水量はほぼ平年並みの見込み。