沖縄県知事選 態勢構築へ動き加速 佐喜真氏 維新に推薦願い 玉城氏 小沢氏が情勢確認


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[右から]支持者と握手をする佐喜真淳氏(手前左)=24日、那覇市内のホテル 連合沖縄の事務所に向かう玉城デニー氏(左)と自由党の小沢一郎代表=24日、那覇市

 9月13日告示、同30日投開票の沖縄県知事選は、県政奪還を掲げて自民、公明の政権与党の強力な後押しを受ける前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)と、急逝した翁長雄志知事の後継として出馬要請を受けた自由党幹事長で衆院議員の玉城デニー氏(58)の、事実上の一騎打ちとなる構図が固まった。前例のない短期決戦となる中で、佐喜真氏、玉城氏ともに態勢構築に向けた動きを活発化させている。ただ、玉城氏の出馬表明は当初予定の26日から遅れることになった。

 佐喜真氏の支持母体「沖縄の未来をひらく県民の会」が24日に設立総会を開き、選挙戦に向けた態勢づくりが本格的に動き出した。さらに佐喜真氏は総会に先立ち、那覇市おもろまちにある下地幹郎衆院議員の事務所を訪ね、日本維新の会への推薦願を直接手渡した。

 下地氏と自民党県連とは、衆院沖縄1区の議席を巡り敵対する関係が続いてきた。だが、1月の名護市長選で自公協力に維新を加えた「自公維」の枠組みで8年ぶりに市政を奪還するなど、急接近している。

 事務所には下地氏、儀間光男参院議員ら日本維新の会県総支部の役員が勢ぞろいで佐喜真氏を迎えた。佐喜真氏は「生まれ育った沖縄県の政治、行政を立て直し頑張っていく強い思いで出馬を決意した」とこれまでの経緯を説明し、選挙支援を要請した。総支部代表の儀間氏は「党本部で手続きを取って結論を出す。しっかりと検討していく」と述べ、党として推薦する方向性を示した。

 県政与党の候補者選考を進めてきた「調整会議」から出馬要請を受けた玉城氏は、所属する自由党の小沢一郎代表が24日、情勢把握のため急きょ沖縄入りした。小沢氏は呉屋守将金秀グループ会長、調整会議の正副議長と新里米吉県議会議長、大城紀夫連合沖縄会長らと面談し、沖縄の政治情勢や選挙戦の取り組み方について意見を交わした。

 小沢氏は記者団に「非常に熱心に誠意を持ってデニー君を推していることは確認できた。国政の政治上の問題が懸かった選挙であり、中央の政党にもきちんとした決定をしてもらわないといけない」と述べ、選挙支援の態勢を判断した上で玉城氏の出馬について党の結論を出すとした。

 一方で翁長県政の継承を取り巻く環境について「非常に厳しい戦いになる。市町村選挙の状況もあるし、何よりも政府与党が死にものぐるいの選挙戦を繰り広げる。単にムードだけでは勝てないという認識は皆さんも持っていると思う」と引き締めを図った。