校舎の安全が最優先 公立小中校の耐震率全国最下位


社会
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<解説>
 公立学校の耐震化調査で、沖縄の耐震率が全国(99・2%)と比べ9ポイント低く、全国最下位だった。全国では、安価で短期間の工期で済む補強工事で耐震化ができるが、塩害で建物の劣化が早い沖縄では改築工事で対応してきたことが背景にある。

 県内では、24市町村で耐震化が完了していない。うち11の市町村は2020年度までに耐震化が完了するとしているが、13市町村では「予算が確保できない」「他の施策を優先的に進めている」「庁舎建設の整備を優先している」などの理由から工事完了が21年度以降もしくは未定としている。

 政府は16年度までに公立学校の耐震化率100%を目指したが、達成できなかった。全国では、学校統廃合などの予定のため耐震改修に踏み切れないケースが多いという。県内でも同様の理由で2市町村が工事完了が未定と回答している。災害はいつ起きるのか分からない。地震に備え、こどもたちが安全に学べる学習環境の確保が最も優先すべきことで、市町村や県には早期の対応が求められている。
 (新垣若菜)