中学まで入通院助成5割 沖縄県内市町村、全国8割と差


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 子どもが医療機関を利用した際に費用を補助する「こども医療費助成」で入院費・通院費ともに中学校卒業まで助成する方針を固めているのは沖縄県内41市町村のうち約5割にとどまり、全国平均の約8割とは大きな差があることが分かった。県は市町村の意向も確認しながら対応を検討する考えだ。28日、県社会保障推進協議会(新垣安男会長)が社会保障の各種制度の拡充を県に求める要請の場で明らかにした。

 こども医療費助成では、県が10月から未就学児を対象に医療機関の窓口での支払いをなくす「現物給付」を始めるのに伴い、市町村でも10月から現物給付を導入する動きが広がっている。未就学児は大半の市町村で入院・通院ともに窓口支払いが無料になる予定だ。ただ、小学生、中学生の段階では入院のみを助成し、通院の助成は予定していない市町村もある。

 通院について中学生までの助成を決めているのは県内41市町村のうち22市町村。一方、2016年の厚生労働省の調べでは、県外の1700市町村のうち約8割の1363市町村が通院費も含めて助成している。

 同協議会の髙﨑大史事務局長らは「沖縄では子どもの貧困に加え、それをカバーする制度も全国より遅れており、二重の意味で格差がある」と指摘した。こども医療費助成の充実度について「全国ワースト100に入る市町村もかなり出てくる」とし、通院費も含む助成の引き上げに向けた働き掛けを求めた。