整然と向かう瓶の底 スクガラス瓶詰め始まる


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瓶の中にきれいに並べられたスクガラスと上原政子さん=29日、那覇市の第一牧志公設市場(魚眼レンズ使用)

 沖縄近海で毎年、旧暦6月ごろの一時期だけ収穫されるスク(アイゴの稚魚)。那覇市の第一牧志公設市場の商店では、今年水揚げされたスクを塩漬けしたスクガラスの瓶詰め作業が始まった。

 3センチほどのスクガラスをガラス瓶の底から下向きにびっしり整然と並べているのは上原山羊肉店店主の上原政子さん(75)。精肉販売の合間を縫って、はしを使い、鮮やかな手並みで器用に作業を進める。

 スクは近年、海外からの輸入品も多く出回っているが、上原さんは地場産を使用する。今年は2カ月前に1年分約150キロを仕入れ、天然塩で漬け込んだ。

 はしで1匹ずつ丁寧に並べる根気のいる作業だが「市場の若い人のパワーをもらいながらの作業ははかどる」と上原さん。店頭に並んだ瓶の中で整列し、泳いでいるかのようなスクガラスは市場の名物だ。「豆腐やサツマイモなどと一緒に食べるとおいしい」と笑顔で話した。 (写真・文 ジャン松元)