月下で全力 綱引き 豊年願い熱気 宮古島・宮国


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大きな掛け声を出して力強く綱を引く住民ら=8月25日、宮古島市上野宮国

 【宮古島】旧盆の送り日に当たる8月25日、宮古島市上野宮国の宮国公民館前の道路で毎年恒例の大綱引きがあった。地域住民らが東と西に分かれて全長約100メートルの綱を引き合い、熱気あふれる掛け声や歓声が響き渡った。

 午後9時すぎから、地域には綱引きの始まりを告げるほら貝と鐘の音が鳴り響き、地元住民や観光客らが続々と集まった。午後10時前、東西の綱がつながり、月明かりの下で綱引きが始まった。1本目は勝負がつかず引き分け、その後は東が2勝して勝負を決めた。

 宮国の大綱引きは豊作祈願や厄払いの意味を込めて旧盆の送り日に行われる。1995年に旧上野村の無形民俗文化財に指定され、合併後の宮古島市にも引き継がれている。綱には「キャーン」と呼ばれるシイノキカズラが使われており、地域の中学生らが中心となって制作した。