神森、男子V5 女子は仲西連覇 沖縄県中学秋季ハンドボール


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 ハンドボールの第13回八重瀬町杯争奪第38回県中学校秋季大会最終日は2日、八重瀬町の具志頭社会体育館で男女の決勝を行い、男子は神森が35―25で港川を制して5年連続14回目の栄冠に輝いた。女子は仲西が31―14で美東を圧倒し、2年連続10回目の頂点に立った。第3シード決定戦は男子は仲西が浦西に勝利し、女子は神森が南風原を下した。

◆要所の連係、実力示す/14度目優勝の神森

男子決勝 神森―港川 後半、守備をかわしてシュートを決める神森の田場心大=2日、八重瀬町の具志頭社会体育館(大城直也撮影)

 3年生の全国2冠で本格的な練習期間が短かった神森の新チームだったが、4―2守備で港川の攻撃を着実に抑えた。攻撃の「きっかけをつくるパターンは一つのみ」(友利彬彦監督)と話すものの、状況に合わせた連係プレーで力の差を見せつけた。

 初戦の沖縄東、準決勝の浦西を接戦で乗り越え、調子を上げた状態でこの日の決勝を迎えた。主将の東江慶が負傷でベンチに下がるなか、田場心大を中心に攻撃は左右に振る素早い展開で、右45度の本永光やポスト外間大心が点を重ねた。宮里海凛はパスカットからの速攻を決め、流れを一気に引き寄せ、序盤から港川を引き離した。

 後半は横一戦守備に変えた港川が盛り返したが、田場の「今日は良く決まった」ロングシュートや守備をうまくずらしたサイドシュートで点差を広げた。洲鎌史成と吉野泰基ら勢いのある1年の奮闘も光った。

 新チームとして最先良いスタートだが、田場は先輩らの偉業に「重圧を感じる」とはにかむ。友利監督は「課題は多いが今後、体を大きくしていくことから始める。今季は他チームも強く激戦が予想される」と気を引き締める。

 東江は「優勝は先輩が練習に付き合ってくれたおかげ。これから全ての大会で連覇が懸かる。一つも落とさないようにしたい」と気合を入れ直した。
 (嘉陽拓也)

◆女子仲西、群抜く強さ

女子決勝 仲西―美東 前半、中央を攻めてシュートを決める仲西の田里優生子

 女子決勝は、仲西が開始早々から8連続得点で美東を一気に引き離して主導権を握ると、控え選手も活躍し、群を抜くチーム力を証明した。長嶺重信監督は「宿敵を追い掛け努力してきた。試合中は鳥肌が立ちましたよ」と選手たちの予想以上の出来に喜び、新チームに大きな伸びしろを感じていた。

 浦城小時代に全国制覇を成し遂げた2年の田里優生子と大田有紗らが守備の柱となり、全員で素早いプレスをかけ、美東の攻撃を単発な展開に持ち込んだ。先を読んだ砂川彩羽のパスカットのほか、GK仲西香翔が好セーブと的確なロングパスで池間未乙や比嘉柚葉らの速攻につなげ、前半で17―5と大差をつけた。

 選手を入れ替え始めた後半は右サイドの仲松亜純が点を稼ぐ。1年の小浜葵楽里も攻守で視野の広いプレーで貢献し、美東を引き離していった。

 新体制での練習は守備と速攻のみだが、主将の田里は「皆のプレーがうまくつながった」と満足した様子で振り返る。「全国や九州大会で通用する攻撃の速さと強い守備の当たりを追求していきたい」と今後の大舞台での活躍を目指し、力強く語った。
 (嘉陽拓也)