骨粗しょう症診断で協業 リムコ(うるま市)、日東紡績と資本提携 測定キットの一部受託製造


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資本提携を結んだ(左から)リムコの小河晋悟社長と日東紡績の戸田数久専務執行役=3日、県庁

 診断薬原料の開発などを手掛けるバイオベンチャー企業のリムコ(うるま市、小河晋悟社長)と、ガラス繊維や医薬品製造などを行う日東紡績(福島県、辻裕一社長)は3日、沖縄県庁で会見を開き、資本提携を結んだと発表した。骨粗しょう症の診療に役立つ日東紡績の測定キット「オステオリンクス『TRAP―5b』」の一部を、医薬品や診断薬に役立つタンパク質をカイコから製造する技術を持つリムコが受託製造する。

 日東紡績はこれまで、農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)に測定キット製造の一部を依頼していた。今後はリムコに委託して一部の製造を任せる。リムコと資本提携を結ぶことで情報交換など連携がスムーズになる。測定キットの他にも、骨形成に関するカイコ由来診断薬の共同開発も進めていく。琉球大学など県内の研究機関と連携することも検討しており、感染症の分野で共同研究を進めることも視野に入れている。

 第三者割当増資により、リムコが新たに発行した12万6千株を日東紡績が引き受けた。リムコの発行済み株式に占める所有割合は、33・4%。日東紡績の子会社であるニットーボーメディカルが手掛ける診断薬などの開発・製造分野でも、リムコと協業することを検討している。

 リムコの小河社長は「養蚕業モデルを確立したい。県内の理系人材育成などの波及効果にもなるだろう」と話した。日東紡績の戸田数久専務執行役は「われわれが持っていない技術をリムコに担ってもらう。今後は海外展開も考えている」と意気込んだ。