県民投票、県議会で条例審査へ 元山氏「県民投票に向けた第2ステージ」


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努

 辺野古埋め立ての賛否を問う沖縄県民投票に向けた運動は、直接請求に必要な法定数を大きく上回る9万2848筆の有効署名を集め、「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表は「県議会における条例審議という第2ステージに移る」と力強く宣言した。1996年以来となる県民投票が現実味を帯び、署名集めに携わった会のメンバーは「この国の民主主義の在り方を問う住民投票になる」と訴えた。 

 謝花喜一郎副知事への請求に先立ち、県民の会のメンバーが5日午前に県庁記者クラブで記者会見した。

 元山代表は、翁長雄志知事の急逝について「翁長知事が何度も訴えた『辺野古新基地建設問題を通して日本全国で日米安保の負担の在り方について考えるべき』ということを、当会も強く訴えていく」と言及。その上で「住民投票に法的拘束力はないが、新しい知事には投票結果を尊重して行政的な判断や権限を行使してもらうことが望ましい」と語った。

 県民投票の実施が持ち上がった際には、辺野古埋め立て承認撤回の公益性を投票結果で示すという議論があった。県が8月31日に撤回を実行したことについて、同会副代表で弁護士の新垣勉氏は「撤回後の県民投票になるが、県民投票で民意が示されることは裁判所に重要な影響を与える。今後の撤回を巡る裁判に影響を持ち続けるだろう」と指摘した。また「埋め立ての是非は重要な課題だが、県民投票は、重要な国策は民意に基づいて行われるべきだという政治や制度を問う側面も持つ」と強調した。

 署名活動終了後の活動について安里長従副代表は「本請求を完了したが、老若男女を問わず県民が広く議論する環境をつくっていく。多様な議論、いろんな世代が交流できるよう、県民投票が実施されるまで会の役割は終わらない」と説明。また「一般市民の一人一人が意思を示した」と述べ、政党や労組主導ではなく、草の根の市民運動の成果だと強調した。