外国人の農業支援期待 JA沖縄中央会、労働人材センター設置 戦略特区「特定機関」見据え


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 JA沖縄中央会(砂川博紀会長)は1日付で、新たな部署として「農業労働人材支援センター」を同会内に設置した。国家戦略特区の「農業支援外国人受入事業」で、外国人を受け入れる組織の「特定機関」になることを見据えた専門の部署となる。特定機関に認められれば外国人材と雇用契約を結び、JAおきなわや県花卉農業協同組合など各農協や農家に派遣できる。外国人材の活用で農業の人手不足解消が期待される。

 農業支援外国人の特区では、技能実習制度を経験するなど農作業の実務経験や知識を持つ外国人を、農業支援のために受け入れることができる。

 JA沖縄中央会は、沖縄労働局に労働者派遣事業者の登録を申請する準備を進めている。登録されれば特区を運営する「適正受入管理協議会」に特定機関としての適合性を確認し、問題がなければ正式に認められる。本年度中にもベトナムやインドネシアなどから人材を受け入れることを目指している。ベトナムの政府機関や人材サービス企業などと調整を進めている。

 特区は派遣事業者からも関心が高いが、外国人の住居確保や相談窓口の設置など、事業者に義務づけられた措置も多い。採算を取るのは難しいと指摘する声もあるが、同会の嵩原義信参事は「中央会は会員のための組織で利益は目的にしていない。できる限りリーズナブルな条件で派遣し、農家を支援したい」と述べた。

 今年3月に愛知県、京都府、新潟市が初めて特区として認定され、沖縄は6月に認定された。愛知県で8月、アルプス技研が特定機関の第1号に選ばれている。