沖尚、初戦制す 沖縄県高校野球秋季大会第1日


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 高校野球の第68回県秋季大会は8日、北谷公園野球場で開会式を行い、開幕した。大会には全て単独チームの65校が出場し、九州大会への出場を懸ける。今大会唯一の1回戦で沖縄尚学が5―2で糸満を破り、2回戦では嘉手納が7―2で北中城を退け、県新人中央大会を初制覇した第1シードの浦添工は10―1(七回コールド)で開邦に大勝した。今大会の優勝と準優勝校は、来春に甲子園球場である全国選抜大会出場のための参考となる第143回九州地区大会(10月20~25日、熊本県)に出場する。

◆覚醒、糸満振り切る 沖縄尚学

沖尚―糸満 4回裏2死1、2塁沖尚、同点のホームを踏む與谷友希=8日、北谷公園野球場(喜瀬守昭撮影)

 大会唯一の1回戦は強豪同士の好カードとなった。新人中央大会初戦で中部商に3安打完封を喫し、「覚醒するならきょう」(比嘉公也監督)と期した沖縄尚学が、5―2で糸満を振り切った。上位打線2人を軸に得点し、継投で2失点に抑えた。水谷留佳主将は「新人大会からどこよりもバットを振り込んできた。きょうは(打線が)うまくつながった」と1勝の重みを実感した。

 上位2人の出塁率が試合の鍵になるとし、1番・吉里和己と2番・高良魁は猛特訓を積んだ。序盤、自身も含め各打者が見逃していた糸満先発の初球が甘く入ることを確認。中盤以降はそこを狙いどころと見ていた。

 1―1の膠着(こうちゃく)状態で迎えた五回。先頭の吉里は「しっかり打てた」と狙った初球を振り、一塁側のライン際を抜け二塁打に。続く高良も初球のバントに成功し、相手守備が乱れる間に吉里が生還した。流れが沖尚に傾いていった場面となった。六回にもこの2人を中心に2点を奪った。

 1年生三塁手の與谷友希は、好守備でユニホームを人一倍真っ黒に汚した。一回、糸満の先頭打者が放ったライナー性の打球に飛びついて安打を阻止した。「気を入れて、何が何でも取る」。七回に糸満先頭打者が死球で進塁した後、次打者が放ったボールを三塁側内野フェンスに激突しながら捕球した。

 失策やここぞという局面での淡泊な攻撃など修正点に目を向ければ、「ちょっとしんどい。まだ柱がいない」と嘆き節の指揮官。それでも、開会式で返したばかりの優勝旗を「もう一度取り戻す」(水谷)とチームは秋の王者を目指し再び走り出した。
 (石井恭子)

◇8日の結果

▽1回戦
沖縄尚学 5―2 糸満

▽2回戦
嘉手納 7―2 北中城
浦添工 10―1 開邦
 (七回コールド)

◇9日の試合

▽2回戦
【北谷】9時
宮古工―浦添
コザ―美来工科
首里―名護

【宜野湾】9時
那覇商―八重山農林
南部商―沖縄カトリック
南風原―那覇西