皆生きやすい社会へ 「交流深め差別解消を」


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 LGBTなど性的マイノリティーの社会運動を国内でリードしてきた南定四郎さん(86)=うるま市。7年前県内に移住し、昨年から「ピンクドット沖縄」の名誉顧問を務める。東京で運動を始めた34年前と比べ「相互に生きやすい社会をつくろうと、進歩している」と評価する。

 南さんは1984年にIGA(インターナショナル・ゲイ・アソシエーション)日本支部を創立。94年に日本で初めてレズビアンとゲイのパレードを行った先駆者だ。昨年から月1回、沖縄市社会福祉協議会の電話相談員をしている。沖縄は高校生からの電話が多いという。「話せる機会が少なく、抱え込んでいるのでは」と推測する。

 差別意識は根強い。自民党の杉田水脈衆院議員が性的マイノリティーを「生産性がない」と表現するなど、国会議員の発言が問題となった。「教育など社会資源からの働き掛けがないと変わらないだろう」と指摘する。「私たちだけの幸せをいくら求めても通らない。みんながコミュニケーションを深め、差別を解消しようという流れになってきている」と前を見据えた。