佐喜真淳氏 沖縄の現状 打開へ <駆ける 2018知事選>


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選挙カーから身を乗り出し、支持を訴える佐喜真淳候補=13日、宜野湾市長田

 知事選告示日の13日午前11時すぎ、出陣式を終えた佐喜真淳氏(54)は地元・宜野湾市の長田交差点でマイクを握り、熱く訴えていた。「普天間飛行場の返還をこの宜野湾から実現させよう」。次の街頭演説先に向かう街宣車から身を乗り出しながら、その場を離れるまで声を振り絞った。

 政治家になったのは宜野湾市議会議長だった父・博さんが公務中に、くも膜下出血で倒れ、帰らぬ人になったことがきっかけだった。それまで政治の道に進むことは考えていなかったが、愛する地元のため、周囲の声に推される形で補欠選挙に出馬して当選、2001年に宜野湾市議となった。その後は県議、宜野湾市長と政治家としての経験を重ねた。

 今回、自民党県連などでつくる県知事選の候補者選考委員会から出馬要請を受けた。任期途中だったが、政府と対立が続く県政で沖縄関係予算は減り、市町村の一括交付金も減少した。この状況が続けば「宜野湾市だけでなく、県全体の発展、暮らしが置き去りにされかねない」との思いから、現状を打開しようと一念発起、出馬を決意した。

 「申し訳ないと思いながらも、知事選挙に立候補した。どうか市民の皆さんに理解いただきたい」。愛着を持って市政運営を進めてきた佐喜真氏。集まった支援者や行き交う車に頭を下げ、市長職を途中で辞して出馬した知事選への支援を呼び掛けた。

 そんな佐喜真氏は市政運営の実績や自身の経験を県政にも反映させたい考えだ。重点政策である普天間飛行場跡地への国連機関誘致、子どもの保育料や給食費、医療費の無償化は市政運営の実績を発展させる狙いがある。プロ野球による沖縄の活性化など野球経験も生かす考え。文字通り血の通った政策の実現を目指す。 (’18知事選取材班)

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 30日投開票の沖縄県知事選に立候補した主要2候補の選挙戦を担当記者が切り取った。