自分に合う医者 見つけて 「乳がん」ゆんたく会


社会
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話し手の宮良球一郎理事長(右)と紀々さん=14日、那覇市の電波堂劇場

 沖縄県那覇市久茂地の電波堂劇場で14日、乳がんについて話すゆんたく会が開かれた。「哲楽家」の紀々さんと宮良クリニックの宮良球一郎理事長が話し手となり「早期発見や治療には自分に合う医者や技師に出会うことが大切だ」と話した。乳がん患者や関心のある人13人が参加し、耳を傾けた。

 宮良理事長によると、早期発見のがんは大きさ2センチ以内で、2センチになるのに7年かかるという。毎年検診を受けていたにもかかわらず進行した乳がんが見つかったという参加者の話を聞いた宮良理事長は「早期発見は、がんを見つける優秀な技師に検診をしてもらうことが重要」と指摘。「医者や技師とのコミュニケーションでつらい治療を乗り越えられる。前を向いて」と語った。

 紀々さんは以前、胸のしこりを見つけ乳がん検診のできる医療機関で診てもらったが、乳がんの専門医ではなく不安な思いをしたという。「検診できる医療機関に必ずしも専門医がいるわけではないことを知った。再検査で悪性ではないことが分かり、検査方法などの疑問にも答えてくれた。専門医の自信が伝わり安心できた」と振り返り「この医者の診断は信じられる、一緒に頑張りたいと思える出会いが大切だ」と話した。

 ゆんたく会は、参加者から寄せられた質問を紀々さんが宮良理事長に尋ねる形で進められた。胸の大きさと乳がんの関係や胸を切らずに治療する方法などの質問があった。

 途中、参加者の気持ちをほぐすため紀々さんは「あんすぐとぅ」を歌った。あんすぐとぅは「そうだよねー」という相づちの言葉。「患者の中には、乳がんと打ち明けたときの周りの反応が怖くて言い出せない人もいる。受け止めてもらうだけで気持ちが救われるよね」と話した。

 那覇市から参加した50代の女性は、親戚に乳がん患者がいて不安だったという。「きょうは先生との距離が近く、先生の表情を見ながら質問への答えを聞けて、乳がんでも怖くないかもしれないと思えた」と感想を話した。