【中国時報】蘇氏、無言の帰国 前那覇処長 大阪で告別式


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 14日に大阪府の官舎で首つり自殺をした、台北駐大阪経済文化代表処の蘇啓誠処長の告別式が17日、大阪で行われた。遺骨は一足遅れて当夜駆け付けた子息に抱えられ、無言の帰国となった。蘇氏は7月に沖縄から大阪に転任したばかりだった。

 台風21号の影響で関西空港に取り残された旅行客への対応を巡り、中国の総領事館員が対岸の泉佐野で待機するなど手厚くサポートしたのに対し、大阪の窓口機関の対応が不十分だったとして、台湾のメディアやインターネット上で批判が上がり、台湾政府外交部も自殺の前夜、処分が下ることを本人に通達していた。家族に残した遺書には、過酷な批判に耐え難い旨が書かれていた。

 蘇氏は台湾中部にある嘉義県の出身で専攻は日本語。温厚で誠実な人柄から日本国内外で多くの知遇を得た一方、生え抜きの外交官として日台の友好関係維持に尽力した。2013年には台北駐那覇経済文化代表処の処長に就任し、沖縄と台湾との絆を深める橋渡し役も担っていた。